建物の売買契約などの双務契約において、契約後類焼などによって建物が焼け、売主の引渡義務が履行できないようなとき、損害(危険)を当事者のいずれが負担するかの問題をいいます。

建物の引渡義務を負う売主(債務者)が代金を請求しえないとするのが債務者主義、買主(債権者)は代金を支払わねばならぬとするのが債権者主義です。民法の規定によれば、 

(1)不動産のような特定物に関する物権の設定または所有権の移転をもって双務(売買等)契約の目的とした場合は、債権者主義を採っているが、 

(2)自動車を10台売買するというように種類と数量だけが定まっているような契約の場合は、どの自動車を売るのかがはっきりした時点、つまり不特定物が特定物に変わったときから、買主である債権者が危険負担することとなり(民法534条)、 

(3)その他の場合は債務者主義を採っています(同法536条)。 
なお、実際の不動産取引の場合は、民法の規定とは逆に、特約をもって債務者主義を採っているのが一般です。

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